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2nd Life from46

「本棚には好きな本だけ」読書の価値を広げる読書記録のライフワーク

 どんなにたくさんあっても整理されていない蔵書より、ほどよい冊数で、きちんと整理されている蔵書のほうが、ずっと役に立つ。同じことが知識についてもいえる。

『読書について』

 著者:アルトゥール・ショーペンハウアーArthur Schopenhauer)、訳者:鈴木芳子発行所:㈱光文社、初版:2013年5月20日

書籍の購入による自身への投資という勘違い

 以前は、自身への投資と解釈して、書店で気になった書籍があれば特段の基準もなく気ままに購入していたものだが、書店での独特な購買意欲を掻き立てる雰囲気のせいもあってか、購入したことで満足してしまう、一度は読んだがそれで終わり、といった書籍が本棚に溜まっていくようになった。

 自身への投資としては安い金額だと思うようにしていたが、塵も積もればで、出費も意外と馬鹿に出来ないし、本棚の置き場所もなくなってくるし、ただ置いてあるだけで読み返したりもしないので、何よりその読書がその後の自身の人生に何かしら寄与している実感が得られていなかった。

 なにもお金をかけることが上質とは限らない。上質な暮らしとは、自分にとって本当に必要なものを吟味し、長年にわたって愛用できるものに囲まれて過ごすことだ。人の数だけ上質な暮らしがある。

『本当に必要なものだけに囲まれる、上質な暮らし』

 著者:田村昌紀、発行所:㈱幻冬舎メディアコンサルティング、初版:2021年11月26日

読了後の5段階評価

 筆者は読書後にその書籍を5段階で評価して記録している。無論筆者よりもあらゆる面で能力の高い方々が著者として世に送り出している作品であることは前提の上で、評価は筆者にとってどう感じるものだったか、読んだ時の自分にとってどうだったかというものだ。
 評価の目安は下記のような感じだ。

  • ☆5:出会いのタイミングにも恵まれた、購入して本棚に納める座右の書となるもの
  • ☆4:いくつもの気付きや知識が得られ、新たなインスピレーションを導いて、有意義な時間を齎せてくれた良書
  • ☆3:一般的に読書をして得られる時間が過ごせたもの
  • ☆2:読む前の期待を大きく下回った場合や新たな気付きや知識を得る上で物足りなさを感じたもの
  • ☆1:極度な不快感を覚えた場合やほとんど理解が出来ないといった、おそらくは何も得られなかったと思ったもの

 5段階で評価の過去の内訳は以下の通り。

  • ☆5:4.6%(14冊)
  • ☆4:25.6%(78冊)
  • ☆3:54.8%(167冊)
  • ☆2:13.8%(42冊)
  • ☆1:1.3%(4冊)

 ※2019.6.1~2022.6.13現在(計305冊)

 そして、基本的には☆5の書籍のみ購入することとしている。本棚に納める座右の書となるのは、統計的には概ね20冊に1冊の割合になるようだ。自分のお気に入りの書籍を本棚に納め、気の向いた時にふと手に取ってというライフスタイルを目指したい。1年も2年も手に触れることのない書籍が単に本棚に並んでいるだけの状態では、生活にインスパイアされることは何も無い。

 それに、筆者には、読書ノートに纏わる一連の工程があるので、☆4以下の書籍についてはそちらで十分に活かせる。

図書館利用の効用

素晴らしい公共サービス

 自身にとっての☆5書籍との出会いを得るまでの日常の道程においては、図書館は実に素晴らしい公共サービスだ。

 最新刊の書籍が借りられなかったり(図書館にタイムリーに納品されるわけではない、納入後も予約がたくさんという場合も多分にある)、といった読みたいと思ってすぐに読めないというデメリットはあるが、それも真に読みたいものは時間が経っても読みたいわけで、さほど問題無い。

日常の読書の契機となる図書館利用

 ライフサイクルの一環に読書を定着させるには、少しの工夫が必要だ。本は必要な時に、読みたい時に読めば良いのだが、これまでの人生では、日常に流されるまま、途端に全く読まなくなる期間というのがあったのが事実で、そうした期間は後から振り返るに、視野が狭くなっていたり、余裕がなかったりと、少し後悔することが常である。読書が自分にとって常に必要であることがきっと直感的に分かっている。

 自身の生活リズムと全く関係なく、客観的にアラームを出してくれるのが図書館だ。新着図書情報で予約した書籍の取り置き期間や借りた書籍の返却期限といったことが淡々と知らせられる。貸し出し冊数も設定されていることから、予約本を借りるには手元の本を返さないと借りられない、この本を返却しないと貸し出し停止の処分になってしまう等々、自身の生活の中に所謂締め切り日を設けてくれる。こうした一連のアラームが、日々の生活に埋没しそうな際に読書への契機となってくれる。無論義務ではないので、読みたくなければ放っておけば良いだけの話だ。

地元と職場の近くの二つの図書館に登録

 また、地元と職場の近くの二つの図書館に登録するのもお勧めだ。ここ3年間、それぞれの図書館の新着図書情報のチェックは日常に定着しており、二つの図書館で計22冊も借りられるようになるし、新着図書の内容や時期も若干異なっていて、選択の幅も広がる。図書館の陳列や特集コーナー等、それぞれの味が出ていて立ち寄るのにも良い。図書館は、本棚に納める座右の書との出会いまでのライフワークに欠かせないものとなっている。