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2nd Life from46

マウンドから見渡す景色が大好きなんだと改めて再認識する @NTT船橋グラウンド

 何かが始まる鼓動を感じ、周囲がその一点に照準を合わせ、これから紡ぎ出される白球のストーリーが自分のペースで始まっていく場所。ツーアウト満塁、スリーツーからのスローカーブでの奪三振の大歓声も、打者一巡の猛攻の中の孤独やばつの悪さも、全部ひっくるめてマウンドに居る時に味わった感覚は多岐に渡る。興奮や高揚感とプレッシャー、周囲の視線と喧騒、後ろを振り返れば仲間がいて、安心感と気合の注入も得られて、ホームベースまでの18.44mに投げ込む一球一球に熱を込める。まるで舞台のようなマウンドから見渡す景色が大好きなんだと再認識する。

NTT東日本硬式野球部の本拠地「NTT船橋グラウンド」

 毎年夏に行われる社会人野球のトーナメント大会で地域振興を名目に総務省も後援に名を連ねている都市対抗野球大会

 NTT東日本硬式野球部は、1999年(平成11年)のNTTグループ再編に伴って、東日本エリアにあるNTTの5チーム(NTT北海道、東北、関東、東京、信越)が統合されて発足。本社が新宿区にあることから「東京都」代表として都市対抗には出場しているが、野球部の本拠地は船橋市(NTT船橋グラウンド)にある。1999年(平成11年)のチーム発足以降、都市対抗では優勝1回(2017年)、準優勝2回(2011年、2020年)の実績を誇る。現在、日本代表の監督を務めている井端弘和(背番号88)がコーチ登録されている。

東京ドーム(都市対抗の会場)仕様に造成された室内練習場のピッチャーマウンド。

12年以上振りのキャッチボールからのブルペン入りとマウンド

 縁あってNTT東日本硬式野球部のイベントに参加。選手達が日本一の環境と自負する室内練習場にて、野球部の選手相手にキャッチボール。ある程度肩も温まってきた頃合いで、「マウンドから投げてみますか」ととても魅力的な誘いを受ける。都市対抗野球本選の会場である東京ドーム仕様で造られた室内練習場のマウンドから、投球が出来るという。

 日頃の運動不足と体重増加による体の変化とは関係なく、体に染みついた投球フォームで投げることになるもんだから、いざマウンドからの投球となると、3球目くらいには、右足の付け根(鼠径部、鼠経靭帯)が、右足の体重の溜めから踏み出した左足への体重移動に耐えられなくなって、筋が伸びた感じの痛みに襲われる。

 それでも、素人みたいなおっさんが、ある程度のスピードとストライクなコントロールで投げ込んでくる様子に、社交的な盛り上げの歓声が届いてくるもんだから、痛みをかばいつつも無理してその後も数球を投げる。

都市対抗野球優勝チームに授与される黒獅子旗(レプリカ、本物は大会へ返還される)。

 続いて場所を室内ブルペン場に移し、スピードガン計測にチャレンジ。足の付け根の痛みは悪化している感がありながらも、久しぶりのブルペン入りの高揚感で、どうしても投げたくなる。一球目は93㎞、二球目が96㎞と、100㎞イケるぞ!的な周囲の社交的な盛り上げを本気で捉え、10球近く投げ込んで、100㎞超えるこの日のMAX101㎞が出たところでリタイア・・・。右腕(肘や肩)よりも早く下半身に痛みが走るとは思いも寄らない結果だ。

室内練習場とは別に室内ブルペンがある。

 その後もストラックアウトで真ん中の5番を取りこぼし、ピッチングは本当に限界に達したため、バッティングに切り替える。置きティーバッティングティー台に置いたボールを打ち返す練習)やバッティングマシーンから出る球を打つ(バッティングセンターみたいなやつ)。木のバットで硬球を叩く音と芯を食った感触が久しぶりに心地良い。一緒に行った次女は、優に200スイング以上している。球を打つのは初めてのはずだが、レギュラークラスの選手が丁寧に楽しくレクチャしてくれてるからか、上達著しい。

ピッチャーマウンドからホームベースを見る、18.44mが遠く感じる・・・。(NTT船橋野球場、2024.1.20訪問)

ピッチャーマウンドから後ろを振り返るのも好き。内野の守備を最も間近に正面から見られるのも良い。

 当日の夜には、痛みが走った右足の付け根に加え、腰回り、左親指付け根、左前腕、右肩周り、右肘周り、右親指付け根、右人差し指爪破損、左膝内側と筋肉痛というよりは重たい鈍痛が体全体を覆う。ただ、心地良い。

 キャッチボールは簡単に出来るようで実はやれる機会がそうそう無い。ある程度球を取れる相手がいないと出来ないし、硬球となると最近はやれる場所もなかなか無い。次はいつキャッチボールが出来るのだろう(ブルペン入りも、マウンドに立つことももう無いかもしれない)、そう思うと大変に貴重な機会となった共に幸せな時間だった。

刻印入り公式球を記念に持ち帰る。