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「美爆音」が代名詞の市立習志野高校吹奏楽部、第61回定期演奏会に赴く

 京都橘高校吹奏楽部の動画に触発されたここ最近の吹奏楽への憧憬から、県下の習志野高等学校吹奏楽部の定期演奏会が開催されるという情報を得て、習志野高校のOBでもなければ、習志野市民でもない全く縁もゆかりも無関係のアラフィフのおっさんが、単身演奏会に乗り込んだ。

 オープニングの”マツケンサンバ”でおっさんはがっちり心を掴まれて、最後には、会場全体に散らばった部員達と教えられた振付で踊る、という事態にまで発展し、自身でも驚いている。

習志野高等学校吹奏楽

 甲子園のアルプススタンドに轟く「美爆音」で有名な、習志野高等学校吹奏楽部だが、吹奏楽のその実力は全国でも屈指の名門校である。

 コロナ禍で開催が中止となった2020年(令和2年)を除く、2013年(平成25年)から2023年(令和5年)の10年間だけをピックアップをしても、下記の通りの輝かしい成績を修めている。

 同じ千葉県下にある柏市立柏高等学校も、

 と両校で鎬を削っている。

 8名もいる顧問の一人である、石津谷治法は現在、一般財団法人全日本吹奏楽連盟の理事長を務めており、吹奏楽の名門校であることが伺い知れる。

年季の入った定期演奏会の立看板

定期演奏会観賞で感じた”習志野スタイル”

 「音楽のまち」を標榜する千葉県習志野市の中核でもある習志野市立習志野高等学校吹奏楽部。その定期演奏会は例年、「音楽のまち習志野」のシンボル施設であった「習志野文化ホール」にて11月に開催されてきたが、「習志野文化ホール」の再整備建て直し計画により、8年後まで使用出来なくなったため(市長が挨拶で話していた)、今年は、音響重視型多目的ホールで約2,000席を擁する、松戸市森のホール21松戸市文化会館)にて、例年より1ヵ月後ろ倒しの12月に開催された。

森のホール21松戸市文化会館)

 学年別やパート(楽器)別だったり、コンクールメンバ、マーチングメンバだったりと、170名の部員が次々と入れ替わり演奏がされ、ハープ(2台)やカホンといった筆者が予期していなかった楽器も登場した。演奏中の楽器間移動も頻繁にあって、会場の左右の2階席や3階席から登場して演奏に加わる。

 「歌がうまくなれば楽器もうまくなる」という教えのもと、楽器を吹いてない時は歌ったり声を出したりというスタイルで、合唱のプログラムもある。

第61回定期演奏会初日の演目(演目に記載されていない曲も演奏されている)

 そしてやはり170名総出による「美爆音」は圧巻。心の琴線や涙腺にスパークしてくる。吹奏楽の本業(コンクールやマーチングコンテストへの出場)はもとより、野球部等への応援にも並外れた熱量が注入されており、習志野の定番曲「レッツゴー習志野」を生で聴けたのは貴重な経験だ。こんな応援を得られる野球部は幸せだなぁとしみじみ感じる。

レッツゴー習志野 Narashino City【習志野市 公式】youtu.be

 部活三年間の集大成に位置付けられる定期演奏会。圧倒的な演奏パフォーマンスの一方で、舞台裏の後方の見えない所から部員の大きな掛け声(恒例の声出し?)が聞こえてくるのも、学芸会のような部員達による手作り感のある舞台装飾や衣装、進行と演出も、この団体が学校の部活動であることを実感させてくれる。

 難しいクラシックを全国レベルで演奏するになるまでには、きっと技術もさることながら曲への理解や音楽性をも磨かれて、濃密で濃厚な高校時代を過ごしているであろうことが想像出来るし、顧問の石津谷治法が言っている、「演奏者と聴衆が一つになり、共にその音の振動を共有してこそ音楽の感動は生まれます。」ということが、部員達によって体感出来たステージだったと思う。

第61回定期演奏会のプログラム