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2nd Life from46

昭和の屋台発、背脂チャッチャ系東京豚骨醤油の始祖、「ホープ軒本舗」で癒しの一杯

 朝の地震で電車が遅れ、危うくクレーム対応の吉祥寺アポに間に合わなくなりそうになるも無事結了し、気の張った対応ですさんだ心に、実にスムーズに染み込んでほっとさせてくれる癒しの一杯が吉祥寺には、ある。高校時代から社会人20数年目の現在に至るまでコンスタントに訪れている店、「ホープ軒本舗」である。

ホープ軒本舗

 「ホープ軒本舗」の創業は、1935年(昭和10年)と自社ホームページにある(店舗にかかる暖簾には、創業1938年とあるのは何故だか分からない)。
 始まりは屋台で、店の場所も名前も紆余曲折あってから、1978年(昭和53年)から「ホープ軒本舗」として現在の吉祥寺で営業している、背脂チャッチャ系東京豚骨醤油の始祖と言われている老舗ラーメン店である。
 創業者である難波二三夫氏の子息が二代目で店を継いで、姉妹が村山店、阿佐ヶ谷店と”ホープ軒”を冠して営業しているとのことだが、筆者は吉祥寺以外は未踏だ。

吉祥寺駅東口、吉祥寺大通りから路地に入る(2024.3.21訪問)。

極上の郷愁スープ

 大抵は、券売機の一番押しやすい位置にある「中華そばの味付き玉子トッピング」を文句無しに押して、檜製のカウンター席に着席する。
 「素材の風味を活かした、スープによく絡むプリプリのちぢれ麺」を標榜した、防腐剤不使用の自家製麺は、24番手*1の細麺のちぢれ麺。

今回も定番の「中華そばの味付き玉子トッピング」で。

ちぢれ麺をスープに絡ませていただく、麺は通常150g(2023.4.17訪問)。

 ただ何と言っても、この細麺のちぢれ麺に絶妙に合っている、じっくり丹念に炊いた豚骨や野菜から抽出されるスープが絶品だと思う。白濁した豚骨と背脂で濃厚かと思いきや、口当たりまろやかなソフトな感覚、旨味が効いていてそれでいて濃過ぎない、自家製ちぢれ麺によく絡み、トッピングの玉子や薄くスライスされた大判サイズのチャーシューもこのスープと一緒にいただくことで、味が完成する感じだ。

 卓上の酢と胡椒、たまに「唐華」(唐辛子にオイスターソースが加えられたという特製香辛料)を加えて味変も可。

檜のカウンターに置かれている調味料類。

 もともと昭和の屋台の味という郷愁を感じさせてくれる一杯ではあるが、加えて、筆者が学生(予備校生)の頃に足繁く通った立川にあった「あじまる」というラーメン店(おそらくはこのホープ軒本舗の流れを組むテイストのラーメンだった)が、閉店してしまった今となっては、吉祥寺の「ホープ軒本舗」がその分も込められた郷愁の店舗となった感もある。食べ慣れた懐かしの味、ほっとさせてくれる癒しの一杯、これだけで筆者にとっては貴重な”Amazing Meal”だ。

たまにチャーシュー麺を注文することも(2019.9.26訪問)。

*1:3㎝の幅で何本の麺がとれるかによって決められている、日本産業規格(JIS規格)。24番手は1.25mmと細め、ちなみに一般的な博多豚骨麺が26番手。