この夏、5年ぶりの沖縄旅行を計画することにした。2001年に初めて沖縄の地を訪れて以来これまでに9回訪れており、今回実現すれば10回目の節目(何の?)になる。合計の滞在日数は59日と、居住地以外の都道府県では最多の訪問県になる。今回の沖縄入りに向けて気持ちを盛り上げる契機にもなるので、沖縄の魅力についてプレイバックする。
沖縄県の島の数
先日(2023年2月28日)、国土地理院が、周囲長0.1㎞以上の海岸線で囲われた陸地を対象として、新たな定義で日本国の島の数を発表したところだが、それによれば沖縄県の島の数はなんと「691」もあるという。
沖縄本島と橋等で連結されている島が計11あり(空港直近の瀬長島は本島と地続き扱いで最早”島”とはカウントされていないようだ)、沖縄振興特別措置法(離島の振興を図るための特別の措置を講ずることを目的とした法律)を元に指定している”指定離島”とカテゴリされるものが計54あり、本島を合わせてこれだけで全66島もある。
筆者は、これまで離島好きみたいなことを言って指定離島以外の島も含めて全24島に足を踏み入れているが、沖縄の数多くの島々の割合からするとたかだか3.5%でしかないようだ。離島巡りの奥は深い。
海に四方を囲まれている”島”であることも、沖縄の魅力の一つであるように思っているが、所謂”離島巡り”というような旅のスタイルも、この達成困難な奥深さと相まって何かしらの惹きつけて止まない理由の一つである気がしている。
沖縄に惹きつけられる理由
沖縄で結婚式を挙げたといった人生上のイベントもさることながら、どうしてここまで魅力的に感じているのかを考えてみると、行き着いた所は「海と砂浜と太陽」、その三つ巴の相乗効果にある、というのが現時点での結論だ。筆者にとって”非日常”の象徴たるものが「海と砂浜と太陽」なのだろう。
一遍に複数の今そこにあるビーチを同時並行で堪能することは出来ないし、時代や天候や動植物といった自然界の外的要因にも左右されるし、記憶は得てして現実を反映したものとは成りにくいしで、全く一概には語れないのであるが、「海と砂浜と太陽」について言えば、沖縄こそ世界一の環境と言ってもいいのではないかと思っている。
若かりし頃に、世界三大洋のビーチを制覇(と言っても部分的な摘まみ食いの話)と粋がって、三大洋それぞれのビーチを訪れているが、水の透明度、温度、波の音、砂浜の砂の細かさ、白さ、肌触り、風や凪の心地良さ、香り、太陽の圧、夕焼けの情景やコントラスト、等々といった五感に訴える全ての要素において、沖縄は全く劣っていないという筆者の体感だ。ちなみに体感比較対象は下記。
- 太平洋
北マリアナ諸島自治連邦区:サイパン島マイクロビーチ(1995年)
オーストラリア連邦:グレートバリアリーフ(2002年)
- インド洋
インドネシア共和国:バリ島ヌサドゥアビーチ、”夕焼けの”クタビーチ(1996年)
アラブ首長国連邦:ドバイジュメイラビーチ(2001年)
- 大西洋
キューバ共和国:バラデロビーチ、カヨラルゴ島パライソビーチ(1999年)
メキシコ合衆国:カンクーンビーチ(1999年)
もちろん筆者にとって未開の素晴らしいビーチはたくさんあるのだろうし、確かにカヨラルゴやカンクーンの砂浜の白さは尋常じゃない驚きがあったし、それぞれが格別なのだが、2003年以降この20年は南の島といえば専ら沖縄で満たされている。
感動のビーチ
砂浜のある風景が、その街や景色に溶け込んで雰囲気や世界観を醸し出してくるので、ある程度の清涼感を超えたレベルからは人それぞれの好みや想い出によって、お気に入りのビーチが数多存在することになってくる。また、泳いで良し潜って良しのものから遊泳には適さないが景観に惚れ惚れするものまで、幅広い風景が沖縄ではたくさん出会えてきたし、離島を含めまだまだ未開拓な場所もたくさんある(なんといってもまだ3.5%だし)し、楽しみは尽きることがない。採り上げ出すとキリがないのだが、敢えてお気に入りのビーチをいくつかピックアップしてみよう。
与那覇前浜ビーチ(宮古島)
筆者が求める全ての要素を持ち合わせているのみならず、ここでは魚がたくさん泳いでいるのに始めはびっくり仰天した。熱帯魚のような小さい魚だけではなく、砂浜付近にまで魚が普通に泳いでいるのに衝撃を覚えたインパクト大のビーチ。
砂山ビーチ(宮古島)
動く枯山水の箱庭的な佇まいを感じさせる自然美豊かなビーチ。砂山を登って砂浜に出るまでの、焦らされ感が興奮を更にかき立てる。見ているだけで時間の流れを忘れさせる芸術的なビーチ。
池間大橋駐車場下(宮古島)
宮古島を連発してしまうが、ここの絶景も書かずにはいられないだろう。厳密には砂浜ではないと思うが、浅瀬が続く海の太陽の光と奏でる色合いは心を浄化してくれることこの上無い。
ナカノ浜(久米島はての浜)
辺り一面360度見渡す限りエメラルドグリーンの海というシチュエーションの代表としては久米島のはての浜を挙げる。
水無ビーチ(本部町水無島)
島のその形からクロワッサンアイランドと呼ばれる本島本部町から高速船で向う島。離島感覚を気軽に海水浴とセットで味わえる。
ニライビーチ(本島読谷村)
遊泳も出来るし自然とも戯れられる、筆者にとっては戻ってきた感と安心感に包まれる特別なホームビーチ。
もちろん「海と砂浜と太陽」のトリニティの他にもたくさんの非日常的魅力が沖縄にはあるから惹きつけられ続けているのだろうことは想像に難くない。那覇空港に第二滑走路が出来てから初めての渡航となるし、5年ぶりとなると新たなスポットも数多く出来ていることだろう。旅行は計画段階から存分に楽しんで、後日に存分に振り返ってこその旅行だと思う。