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ゴールドバレル(黄金の樽)パイナップル「いずみゴールド」の衝撃

 日本ではほぼ沖縄県のみで栽培されているパイナップル。10度目の渡航、通算滞在日数64日となった今回の沖縄入りで最もホットな出会いとなったであろうと思われるのが、『黄金の樽』と名付けられた”国産パイナップルの最高峰”との呼び声高い、沖縄県産品種の「ゴールドバレル」。本部半島の中ほどにある伊豆味地区の仲宗根青果店で試食後購入した「いずみゴールド」である。

黄金の樽「ゴールドバレル」

 以前に、手でちぎって食べられるスナックパインと出会ってびっくりしたのも沖縄だったと思うが、今回の「いずみゴールド」の衝撃はそれを優に上回る。

 現沖縄県農林水産部農業研究センターによって、1989(平成元)年から、希少種である「クリームパイン」にブラジルから導入された品種の「McGregor ST‐1」を交配し、およそ20年の歳月をかけて開発され、種苗法に基づいて、2009(平成21)年に農林水産省に品種登録(出願は2006年)された「ゴールドバレル」。

 収穫までに3年の歳月を要し、栽培や管理にコストと労力が必要とされる品種で、国内生産量に占める割合が数%に留まる貴重な高級パインとされている。

 高糖度低酸度で糖酸比のバランスが極上で、食べ過ぎることでの口の中や周りに違和感やえぐみを感じるということもなく(パイナップル特有の口の中等の違和感の原因となる、シュウ酸カルシウムやタンパク質分解酵素ブロメラインといた成分の含有量が少ない)、歯にかかるような繊維も少ないといった特徴を持つ。

本部町伊豆味地区産の「いずみゴールド」

 「いずみゴールド」はこの「ゴールドバレル」品種を本部町伊豆味地区の農園で栽培し収穫したもののブランド名である。甘くて柔らかいので芯まで食べられる逸品だ。

本部町伊豆味地区産の「いずみゴールド」

 筆者が立ち寄った仲宗根青果店では、「いずみゴールド」を始め、4種のパイナップルが試食出来て味の違いが楽しめて、どれも美味しいのだが、店員さんが鷹揚に勧めるのに任せ、殊に「いずみゴールド」に手が伸びて止まらなくなる美味しさだ。

本部町にある県道84号線沿いの仲宗根青果店

 なるほど、甘味と酸味のバランスは極上で、果肉は柔らかくジューシーなことこの上なく、口溶けの滑らかさは至って自然でかつ気持ち良く、この味を知った後では、ずっしりとしたその重量感が高級感を纏い、外観の佇まいとその色合いは芸術性をも醸し出し、正に”Amazing Meal”の名に相応しい。

蜜の量が見て取れる果肉の色合いと漂う甘い香りも極上だ

 食べることがこんなに愉しみとなるのは幸せだ。また一つ、沖縄の良さに触れられる滞在となった。