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2nd Life from46

敢えて言おう、船橋が生んだ最高傑作だと!「赤坂味一」の中華ソバ

 永福町大勝軒系とカテゴライズされることが多い「赤坂味一」。にぼし出汁の透き通った醤油味のスープは、永福町大勝軒系と言われる幾多の店舗にも引けをとらない完成度極まる一杯である。
 ただし、永福町大勝軒での修行経験はないとされ、元々、東京の赤坂に店舗を構えていたことから店の名前に冠していると言われている。船橋での創業は昭和50年(1975年)だというから、筆者の生年と同じで人一倍愛着も沸く。

特筆すべきは麺

 にぼし出汁の旨さ、ラードによる冷めないスープ、麺のボリュームといった永福町大勝軒系の要素は全て揃いつつも、永福町大勝軒系との最大の違いは、麺にあると思う。

今回は勢い余って「中華ソバ 大盛」を注文。(2023.1.16訪問)

 麺は、こちらも船橋が誇る、1928年(昭和3年)創業の老舗、山田食品㈱が提供する、やや低加水を感じさせるたまご麺(筆者の感覚なので違うかもしれない)。永福町大勝軒系より気持ち太くてコシの強さがはっきり感じられる。この麺の、口当り、噛み応え、口の中から喉に至るまでの感触と、喉越し、がスープと相まって得も言われぬ味わいを齎してくれる。
 素材の良さを知り尽くした店主による、熟練の麺の扱いがその良さを更に引き立てているのであろう。ラーメンの主役が麺にあることを再確認させてくれる。

雨の昼過ぎでも店内は賑わう。(2023.1.16訪問)

再訪を誘う味覚への余韻

 実は、初めて食べた時のインパクトはそれほど強烈なわけではなくて、出会った日付もメモしていなかったのだが、何かしらの再訪を誘う味覚への余韻みたいのがあって、通うほどに旨さが分かってくるというのか、体に染み渡ってくるとでもいうのか、飽きの来ない繰り返し食べたくなる一杯となっている。
 奇抜さや色物に目を奪われて目の前の純朴さやあるがままのものの良さを見落としてしまうような、人生の教訓に近いものを感じてしまう。

通常は「中華ソバ」をオーダーする。(2017.5.22訪問)

船橋が生んだ最高傑作

 明日「赤坂味一」に行こう、と決めた前日の寝る前から楽しみで、既に口の中ではスタンバイOKの状態よろしく、お腹も減ってくる感覚で眠りに付く。

歯ごたえのあるメンマと味の染みたチャーシューも良い。(2017.5.22訪問)

 ラーメンはジャンルやカテゴリーもたくさん有り過ぎて一つの食べ物として一括りに論じられない感じもするが、おそらく最も好きであろう永福町大勝軒系の中でも、最高の一杯を挙げるとなると、”赤坂味一の中華ソバ”になるだろう。
 船橋が生んだ最高傑作、正に”Amazing Meal”の名に相応しい。