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確定拠出年金のマッチング拠出最大化で、将来(年金)と今(節税)の二兎を追う

 年金のその制度や仕組みを理解することはそう簡単なことではない。筆者自身に直接的に関係するところでは、「国民年金」「厚生年金保険」に加え、「企業年金基金」「規約型企業年金」「確定拠出年金」とあり、意識的に理解しようと努めなければ到底理解しての定年退職を迎えることも望めない。本稿では、その中の「確定拠出年金」について取り上げたい。

 「確定拠出年金」の拠り所となる、確定拠出年金法は、2001(平成13)年6月に制定され、同年10月から施行されており、従来のような予め給付額が約束されている”確定給付”型の年金制度とは性質を異にした、掛金を個人がその自己責任において運用し、その運用結果に基づいた給付額を受取るという性質の年金です。

 筆者の勤務先では、2014(平成26)年度より、それまでの「規約型企業年金」の後継年金制度として導入され、現在に至っている。ちなみに、前身の「規約型企業年金」の受取額は確定していて、退職一時金とセットで受取りすることが決定している(今は受取り出来ない)。

 半ば強制的に投資運用を実施することを課される仕組みなわけだが、この仕組みを好機と捉えて投資運用の妙を体感して研鑽していくことが出来ればいいな、ということもあるだろうが、今の生活に直結するもっと切実なメリットがある。

確定拠出年金」のメリット

 「確定拠出年金」ではいくつかの税制優遇があるが、一番のメリットとしては、掛金拠出の際の「所得控除」になるだろう。毎月の掛金はMAXで27,500円(勤務先拠出と自己拠出の合計)と定められているが、この27,500円がそのまま給与として所得と見なされた場合との差は、税率33%(所得税率23%+住民税率10%)とした場合、9.075円/月節税出来、年額108,900円の節税として現れる。

 勤務先拠出額に加えて、自己拠出となるマッチング拠出を最大限活用することが節税効果を最大化することに欠かせない。

運用益の税制優遇

 また、運用益を確定させた場合も、その時点では課税されず、年金を受取る際までは課税されない。逆の言い方をすれば、年金を受取る際には課税されるということだが、年金として受取ることで、退職所得控除や公的年金等控除といった仕組みによって通常の投資運用益に課せられる税率(20.315%)よりは抑えた率で納税することになり、節税になる。この辺りの詳細なロジックはまだ先の話だなって思っちゃうのと、どうせ制度も変わるだろうな、というのとで把握する気力が湧いてこず(社労士試験を目指す者としては失格か・・・)。

社会保険料の減額

[2023.6.15更新]
企業型確定拠出年金(マッチング拠出含む)では掛金は給与として扱われるため、社会保険料の算定扱いについては、何ら変わらない。
※知足常楽様よりご指摘いただき正しい認識が得られたため訂正します。

 勤務先が給与の一部から掛金を拠出するから、給与として受取る前のお金で「確定拠出年金」を利用していることになり、掛金は社会保険料を計算するための項目に含まれなくなるため、徴収される社会保険料が減額される可能性が出てくる(人それぞれの社会保険料の算定の条件によるので社会保険料が減額されない場合もあり得る、それと、自身が各種社会保険のお世話になった場合には、その額が少なくなることにもなるので、社会保険料の減額が=お得になるかは、その時々の情勢に依るという性質がそもそもある)。通勤費が旅費に変わることでの社会保険料の影響で算出した感じだと4,500円/月程度、年換算では55,000円程度減額されることになろうかと思う。

手数料は勤務先負担

 加入、移管時や口座管理に関する金融機関に支払う手数料などは勤務先が負担してくれるため社員が手数料を負担することは無い。

カフェテリアプラン助成

 勤務先のカフェテリアプラン助成金を申請することで、12,000円/年が補助される。

自己資産であること

 自己資産という性質がある「確定拠出年金」では、「ポータビリティ制度」と呼ばれる仕組みを採用しており、勤務先が潰れてもそれまで拠出した掛金がなくなることはなく、離職時や転職時に今まで積立てた資産を転職先やiDeCoなどの他制度へ税制上の不利がなく(課税されることなく)移すことが出来る。仕事を辞めても、転職を何度しても、「確定拠出年金」は一度始めてしまえば長く続けることが出来る。

確定拠出年金」のデメリット?

 「確定拠出年金」のデメリットとして言われることとしては、主に以下の3点を目にするような気がするが、考え方によってはデメリットにならないものもありそうだ。

  • 自身で運用指図をしなければならない
    受取り額が既に決定している前出の「規約型企業年金」のように、いつの間にか勝手に蓄積されていたというのは確かに楽だ。ただし、自身で運用指図をすることでより運用益を上げたいと思う人にとってはデメリットにはならない(逆にメリットになる)。
  • 60歳にならないと受取れない
    「年金」と名前が付いているように、「確定拠出年金」は60歳にならないと受取れないが、他の公的年金の受取り年齢が65歳以降へ引き上げられている中では、それまでのセーフティーネット(つなぎ年金)にも成り得る(メリットと感じる人も出てくるだろう)。
  • 運営管理機関の扱う商品に限られる
    この点は確かにデメリットかもしれない。三菱やSBIの商品を購入したくても、筆者の勤め先が委託している運営管理機関では取り扱いがない。

これまでの運用実績

 年度が変わり人事年齢が上がったので(厳密には勤続要素、資格要素、成果要素の合計額/月に人事年齢に応じた係数が乗率されるというようなこれまた複雑な計算式によって算出されているようだ)、勤務先の拠出額が変更されて、10年目を迎える「確定拠出年金」のマッチング拠出額は未実施の年を除けば過去最低となった(天引き額が減り手元にお金が残るのでこれは良いことです)。

 さて、実際のこれまで9年間の運用実績は下記の通り(2023.5.27現在)。

  • 評価損益:521,084円
  • 運用利回り:6.69%(直近1年、4.81%)

これまでの9年間(2014~2022年度)の運用実績

 加入時期や期間は異なるものの、該当運営管理機関の全加入者利回り分布状況によれば、上位20%(18.7%)には入っているようだ(もちろん上には上がいる)。

初回入金来の利回り分布状況

 ところで、通信教育だが、気が付けば(ずうっと頭の片隅にはあったけど・・・)来月が課題提出添削期間の締切りとなっている。この期間を超過すると通信教育費用の数万円が自費負担になってしまう・・・。「確定拠出年金」の社内規定類である社長達を2本読み込んた上で本記事を書いているのだが、そんなの読んでいる時間あったら通信教育のテキスト読めよ、という一人突っ込みをかましてしまう。